一般皮膚科
よくある一般皮膚科の診療
- にきび
ニキビは尋常性ざ瘡とも言われ、毛包(毛穴)に皮脂が詰まって面皰(めんぽう:白ニキビ・黒ニキビ)や紅色丘疹(こうしょくきゅうしん:赤ニキビ)・膿疱(のうほう:膿をもったニキビ)ができる皮膚の病気です。
皮脂の分泌が活発になるとともに、毛穴周辺の角層(皮膚の一番表面の部分)が厚くなって毛穴が詰まると皮脂がたまって、ニキビができます。顔のほか、胸の上部、肩、背中にもできます。
- じんましん(蕁麻疹)
じんましんとは、一時的に出現するかゆみを伴う皮膚の腫脹です。
じんましんの原因は複雑で、はっきりしていない場合も多いです。アレルギーが原因の場合もあれば、その他に食べ物や飲み薬などが原因で起こることもあります。
1ヶ月以上続くじんましんは、慢性じんましんと言います。
- 湿疹
かゆみをともなう皮膚の炎症をまとめて湿疹といいます。急性では、水疱や発疹などのジクジクした湿疹をはじめ、角質が白くフケのようになる鱗屑(りんせつ)、かさぶたなどがみられます。慢性の湿疹では、皮膚がカサカサになり、厚く硬くなっていくことが特徴です。
- かゆみ
かゆみは目に見えないため、そのつらさは本人しかわかりません。
つい掻いてしまいますが、皮膚を傷つけかゆみを増長させるという悪循環を引き起こしますので、掻かないようにして下さい。掻くのを我慢するだけで症状のおさまりがぐんと早くなります。
かゆみの原因は、アレルギーや刺激に対するもの、また皮膚の乾燥からくるものなど、人それぞれです。何か炎症が起きていると分かりやすいですが、かゆみだけでは症状が目に見えないため、医師に「どんな時にひどくなるか」「どういう感じのかゆみであるか(ムズムズ・ピリピリなど)」など、分かることはできるだけ細かく伝えましょう。かゆみの治療
まずはかゆみを抑える塗り薬を使用します。その間、何が原因なのかじっくり突き止めます。自分でも思い当たることがあれば、なるべく症状が出ないように行動してみましょう。
- いぼ
身のあらゆる場所にできる可能性があります。
加齢が原因で生じるものもありますが、多くのイボはヒトパピローマウイルスが原因で起こる皮膚の病気です。ウイルスは100種類以上あり、その種類によって症状も異なります。
ウィルス性なのでプールや浴場の床で皮膚が水分でふやけている時、傷がある時などはとそこからウイルスが侵入し、感染することがあります。さらに、時間が経つと広がったり他の人に感染させたりする怖れもあります。
免疫力が高ければ自然治癒もありえますし、市販薬でも治すことは可能ですが、確実ではありません。治ったように見えても、実は根っこが残っている場合があり、何度でも再発します。誤った自己処置で広がってしまう前に、早めに病院で正しく治療することをお勧めします。いぼの治療
症状によって異なりますが、液体窒素によって患部を凍結させていぼウィルスを表皮の細胞ごと破壊していく方法をとることが多いです。
- たこ・魚の目
たこ・魚の目は、長時間の皮膚の摩擦や圧迫などの負担がかかる部位に出来るものです。
特に足の裏や足の指によく発症します。
どちらも良性のものですが、単純に皮膚の表面が厚く硬くなる「たこ」と違い、「魚の目」は徐々に痛みを感じる神経に肥厚していくので、進行すると痛みを感じる事になります。たこ・魚の目の治療
たこ・魚の目の治療 患部の皮膚をメスなどで取り除くことが多いです。
- 帯状疱疹
帯状疱疹は、体の片側に起きる強い痛みと、痛みがある部分にできる帯状の赤み、ブツブツ、水ぶくれが特徴の病気で、子どもの頃にかかることの多い「水ぼうそう」のウイルスが原因で起こります。
帯状疱疹の治療
基本は抗ウィルス薬の内服になります。重症になると点滴で治療をおこないます。痛みが激しい場合は「神経ブロック」と呼ばれる麻酔を行い、まず痛みだけを取り除くこともあります。薬によってウィルスが抑えられるまで時間がかかる場合があるので、その間に症状が広がることもありますが、まずは医師の指示にしたがって服用をおこなってください。
ワクチン接種も予約制で行っています。
- 水虫
水虫は、白癬菌(はくせんきん)という真菌が皮膚内に侵入し増殖して生じる感染症です。白癬菌は高温多湿を好むため夏に悪化しやすいです。足の指の間のふやけ・ジクジク、足の裏の水疱・カサカサ・かゆみなどを生じます。ご家族にうつしてしまったり、足・爪以外にも頭・体・股部・手などにもうつることがありますので完全に治療することが大切です。
水虫の治療
顕微鏡を用いて水虫菌(白癬菌)を確認してから、症状にあった塗り薬を塗っていただきます。症状が治まったからといって薬の使用はやめず、根気よくしばらく継続すると完治します。 角化型や爪水虫は塗り薬が浸透しにくいため、飲み薬も併用して治療を行っていくこともあります。
- 手荒れ・肌荒れ
おもに利き手の指先からはじまり、かさかさ、亀裂、かゆみなどが生じます。特に主婦、美容師、飲食店員など手を使う仕事をする方によくみられます。職業病ともいえます。
手荒れ・肌荒れの治療
保湿剤やステロイド外用剤などのぬり薬で治療します。かゆみが強いときはのみ薬を併用することもあります。水仕事のときは木綿の手袋の上にゴム手袋をし、手を洗いすぎないようにしてください。日々の生活が悪化原因であることが多く、良くなったり悪くなったりをくりかえします。
- やけど
熱傷(やけど)は高熱による皮膚の障害です。受傷部位に発赤、腫れ、水ぶくれ、痛みが現れます。強い痛みが初期の症状ですが、深い熱傷では神経も障害するため痛みがない場合もあります。
熱傷の深さによって1度、2度、3度の熱傷に分類されています。【1度熱傷】
最も軽いタイプで、表皮のみが障害を受けて、皮膚がヒリヒリと痛み赤くなりますが、水ぶくれにはなりません。
通常は1週間以内には治ります。【2度熱傷】
表皮の下の真皮に達する熱傷です。
強い痛みがあり、熱傷受傷後24時間以内に水疱ができます。
浅い2度熱傷は2~3週間程度で治り、あとが残りません。
深い2度熱傷は3週間以上かかり、あとが残ります。【3度熱傷】
皮膚は神経も障害されるため、むしろ痛みを感じません。
皮膚表面は白くなり、あるいは黒く硬くなることもあります。
深い潰瘍となり、あとを残します。やけどの治療
やけどは受傷直後の処置が最も重要です。15℃前後の水道水で約30分冷却して下さい。冷却によって、ヤケドをした場所の炎症、腫れを抑え、痛みを和らげることができます。顔面は、タオルの上から氷嚢を当てるとよいです。
痕が残るかは熱傷の深さと、受傷後からの処置方法が重要になります。1度熱傷または浅い2度熱傷の場合は、炎症を抑えるためにステロイド外用薬や細菌の感染を防ぐため抗生物質の飲み薬を使用します。
- 日焼け
日焼けは、赤くなる「サンバーン」と黒くなる「サンタン」に分けられます。赤くなるサンバーンは痛みを伴い、時によって水ぶくれなどを起こすこともあります。肌のタイプによって症状は大きく異なりますが、とくに白い肌の人はサンバーンを起こしやすく、注意が必要です。
黒くなるサンタンはメラニンという色素がメラノサイトという色素産生細胞でつくられたあと、表皮に現れてくるものです。そのメラニンの働きよって、紫外線によるDNAの損傷を防いでいるのです。つまり、日焼けを起こすほどに大量に紫外線を浴びれば、表皮の細胞のDNAも傷ついているということです。
通常ならばその傷はいずれ修復されますが、うまく修復できなかった傷が積み重なると皮膚のガンや老化(しわ、しみ)につながっていきます。昔はビタミンD生成のため日焼けが推奨されていたこともありましたが、現在では数分の日光浴で十分な量が得られるとされています。無用な日焼けは避けるようにしましょう。日焼けの治療
焼けてしまった場合は、通常のやけどと同じようにまず患部を冷やしましょう。たかが日焼けと思わずに、焼けた部分のひどい痛み・頭痛や発熱がある・水ぶくれが出来ているなど、重篤な症状の場合はすぐに病院を受診してください。また、水ぶくれは潰すとそこから細菌が入り広範囲に化膿することがありますので、潰さないようにして下さい。
飲む日焼け止め(自費)も取り扱っています。
- 口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの感染症によって引き起こされる、唇やその周りに痛みを伴う水疱(みずぶくれ)ができる病気です。
単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると症状がなくなった後も神経細胞に住みつく特徴をもっています。
そして発熱、疲労、ストレス、月経、紫外線などで体の抵抗力が落ちるとウイルスが活発化し、再発を繰り返す特徴があるため、再発のケアが肝心です。
- 口内炎
口内炎は、大きく分けて「アフタ性」「ウィルス性」「カタル性」の3つがあります。私たちが一般的に口内炎と呼んでいるのはほぼ「アフタ性口内炎」のことです。
主な原因は、ダイエットや偏食による鉄分・ビタミン不足、ストレスや睡眠不足による体力低下、口腔内の不衛生などがあげられますが、一部の人は歯磨き粉の「ラウリル硫酸ナトリウム」という発泡成分が原因になることもあります。
口内炎は多くの人が経験のあることだと思いますし、いずれは治るものだと分かっていても、痛くてものが食べられなかったり、物事に集中できないというのは辛いものです。まれにではありますが、他の病気が隠れている可能性もありますので、痛みがひどい場合や、再発を繰り返す、広範囲に広がるなどの場合は早めに受診してください。口内炎の治療
基本的には対処療法になり、塗り薬を処方いたします。
予防としては、まず口のなかを清潔にしましょう。毎食後の歯磨きやうがいをし、口の中を乾かないように保つことも有効です。また、緑黄色野菜を中心にした食事を心掛け、ビタミンB1、B2を積極的に摂りましょう。
- 虫さされ
虫さされは、蚊・ブヨ・アブ・蜂・ノミ・ダニなどに刺されて生じる症状の総称で、刺された虫によって様々な症状が現れます。刺された直後からすぐにかゆみや赤みが出る場合もあれば、しばらく時間が経った後に症状が現れてくる場合があります。小さなお子様の場合、特に赤く腫れる場合が多いです。
虫さされの治療
虫さされの治療には、強い炎症症状を抑えるために比較的強いステロイドの塗り薬を短期間使用します。かゆいからといってかきむしると、跡が残ったり、とびひなどの感染症状を引き起こしたりする危険があります。
- 円形脱毛症
円形脱毛症は、誰でも発症する可能性のある病気です。男女・年齢の差はあまり関係がありません。境目のはっきりした脱毛があらわれ、次第に大きくなります。部分的に急にまとめて抜けしまうのが特徴的です。
原因ははっきりしていませんが、現在では遺伝的な要因と自己免疫が大きく関わるのではないかと考えれられています。よくストレスが原因といわれていますが、あまりストレスの少ないと考えられる新生児にも見られることなどから、きっかけの一つにはなり得ますが、実は主な原因とは考えられていません。円形脱毛症の治療
原因がはっきりしないため、根本療法は確立されていません。対処療法になりますが、患部への注射、塗り薬、紫外線治療(ナローバンドUVB、エキシマ)、内服など、様々な方法があります。また、円形脱毛症を自覚することで大きく精神的ダメージを受けてしまうことが考えられますが、いずれは治癒するものと深刻になりすぎないようにしましょう。
- あせも
あせもとは、多量に汗をかいたあとに汗がうまく皮膚の外に排出されず、汗管(汗の出る管)が汗で詰まることにより発症します。
皮膚の表面近くに汗が溜まってできる色のつかないプツプツとしたあせもと、それより深いところにできて痒みを伴う赤いあせもの主な2種類があります。色のつかないあせもは特に痒みもなく、自然に2~3日で治りますので特に治療は必要ありませんが、赤いあせもは、患部が炎症を起こしている状態のため、正しくケアしないと症状が消えるのが長引くことがあります。
痒みがあると、気をつけていても寝ている間などに無意識に掻いてしまい、症状を悪化させてしまうことがありますので、大人よりも多量の汗をかく小さいお子様などは注意が必要です。あせもの治療
正しいスキンケアのほか、炎症を抑える塗り薬による治療を行います。
また、あせもは予防が大切です。気温や湿度に気をつけ、汗をかいたらすぐ拭き取ったり、肌を清潔に保ち、正常に汗が排出されるように気をつけましょう。
特に、小さいお子様には大人がよく注意して着替えや温度調節をしましょう。
- かぶれ
かぶれ(接触皮膚炎)とは、湿疹・皮膚炎の一つで、皮膚に接触した物質の刺激、あるいはアレルギー反応により接触した部位に限られた皮膚の炎症を起こす病気です。
原因物質の直接的刺激によるものを一次性のかぶれと、原因物質のアレルギーによるものをアレルギー性のかぶれに分けることができます。 植物、化粧品、洗剤、白髪染め、パーマ液、時計、ネックレスなど身近な家庭・職場環境内にも原因接触源となりうるものがあります。かぶれの治療
薬物療法が中心になります。
皮膚の炎症やかゆみを抑えるために、ステロイド外用薬や抗アレルギー薬の内服を使用します。
症状が激しく、範囲が広い場合には短期間ステロイド薬を内服することもあります。
- アトピー性皮膚炎
生後2~3ヵ月頃からはじまる、かゆみがあり、慢性的にくりかえす湿疹のことをいいます。
原因は、まだ明らかではありませんが、アレルギーをおこしやすいアトピー素因と、バリアー機能が低下した乾燥肌が関連するといわれています。アトピー性皮膚炎の治療
ステロイド外用剤、保湿剤などのぬり薬、かゆみをおさえる飲み薬、紫外線治療(ナローバンドUVB、エキシマ)などで治療します。日常生活では、皮膚を清潔に保つ、汗やストレスをさける、などに気をつけてください。短期間で治る病気ではなく、症状に応じて薬を変更するので、定期的な通院が必要です。
- 巻爪
足の爪に起こることですので、見えない部分だと気にしないでおくと大変なことになります。爪が指の肉に食い込んで激しい痛みを起こします。 さらに悪化すれば膿み、歩くこともままならない状態になります。そうなる前に治療が必要です。
巻爪の治療
当院では、自費にてマチワイヤー、巻き爪マイスターによる治療を行っています。
- カンセン(乾癬)
皮膚が赤くなって盛り上がり、表面に白いかさぶたが厚く付着し、それがフケのようにぼろぼろと剥がれ落ちます。 炎症を伴うため、強いかゆみが生じることがあります。
カンセン(乾癬)の治療
ステロイド外用、ビタミンD3外用、紫外線治療(ナローバンドUVB、エキシマ)が一般的な治療法です。難治性の場合は、チガソン、シクロスポリンといった特殊なお薬を内服する場合もあります。